WordPressサイトを運営していると「FTP」という言葉を目にした方も多いのではないでしょうか。
FTPを使うことでサーバー上のファイルにアクセスできるようになり、WordPressサイトのバックアップやカスタマイズをする上で役に立ちます。
今回はFTPソフトを使ったサーバー接続の方法に加えて、プラグインやレンタルサーバーのファイルマネージャを使ったサーバー内のファイルを操作する方法も解説します。
FTPに関する基礎知識
FTPとは「File Transfer Protocol」の略称のことで、ファイルを送受信する通信規格を表します。
ファイルを送信する側をFTPクライアント・受信する側をFTPサーバーと呼び、多くの場合自身のPCがFTPクライアント・レンタルサーバーがFTPサーバーとなります。
まとめると、FTPとはPCとレンタルサーバー間でファイルをやり取りするための通信方法ということになります。
FTPを使うことサーバー上のファイルをダウンロードしてWordPressサイトのバックアップをとったり、自作テーマをアップロードしてサイトをカスタマイズしたりすることができます。
FTPによるファイル操作にはFTPソフトが用いられますが、本記事ではFTPソフト以外にもサーバー上のファイルにアクセスする手段としてあわせて3つ方法を紹介します。
サーバー上のファイルにアクセスする手段 | アクセスに必要な情報 |
---|---|
FTPソフト | FTP情報 |
プラグイン | WordPressのログイン情報 |
レンタルサーバーのファイルマネージャー | レンタルサーバーのログイン情報 |
FTPソフトを使ったファイル操作
FTPソフトとは、FTPによるサーバー上のファイル操作をわかりやすくするためのソフトです。
普段のファイル操作と同様にドラッグ&ドロップによるファイル移動、右クリックによるファイルコピー・ダウンロード・削除などができるようになります。
代表的なFTPソフトとして、FileZilla(https://filezilla-project.org/)やCyberduck(https://cyberduck.io/)があげられます。
今回はFileZillaを例にインストールからサーバー接続までを解説します。
FileZillaのインストール
FileZillaの公式ページ(https://filezilla-project.org/download.php)からFileZillaのインストーラーをダウンロードします。
このとき、自分の使用しているパソコンによってインストールするバージョンが異なるので注意しましょう。
先ほどダウンロードした圧縮ファイルを開き、インストーラーを起動します。
インストールが完了するとFileZillaが起動します。
起動後は以下のようにローカルファイル(PC内のファイル)が画面の左側に表示されています。
以上でFTPソフトFileZillaのインストールは完了です。
FTP情報を確認する
FTPソフトを使ってFTPサーバーにアクセスするには、以下3点の情報が必要になります。
- サーバー名
- ユーザー名
- パスワード
これらの情報はレンタルサーバーの管理画面・受信メールから調べることができます。
今回はXserverを例にFTP情報を確認する方法を解説します。
Xserverの「サーバーパネル」にログインし、「サブFTPアカウント設定」をクリックします。
接続したいドメインを選び、「FTPソフト設定」から「FTPサーバー(ホスト)名」「ユーザー名(アカウント名)」を確認します。
最後にパスワードを確認します。
Xserverの場合はサーバーパスワードが必要で、Xserver登録時のメールに記載されています。
以上で必要なFTP情報が揃いました。
これらの情報を使ってサーバーに接続してみましょう。
FileZillaを使ったサーバー接続
FileZillaを立ち上げ、画面左上のアイコンから「サイトマネージャー」を開きます。
サイトマネージャの画面から「新しいサイト」をクリックし、サイト名を入力します。
(サイト名に指定はありません。後から自分が見てわかりやすい名前にしておくとよいでしょう)
続いて「ホスト」にFTPホスト名、「ユーザー」にFTPユーザー名を入力して「接続」をクリックします。
(ログオンタイプは「パスワードを尋ねる」のままにしておいてください)
パスワードの入力が求められますので確認したパスワードを入力し、「OK」をクリックします。
サーバー接続に成功すると、以下のように画面左側にリモートサイト(サーバー上のファイル)が表示されます。
この状態でサーバー上にファイルにアップロードしたり、サーバ上のファイルをダウンロードしたりできるようになります。
WordPress管理画面からサーバー上のファイルを操作できるプラグイン
先ほどまでFTPソフトを使ってサーバー上のファイルを操作する方法を解説してきました。
以降では「WordPress管理画面にログインはできるがFTP情報がわからない」「FTPソフトをインストールして操作するのが面倒」という方に向けて、プラグインを使ったサーバー上のファイルを操作方法を紹介します。
紹介するプラグインはFile Managerです。
このプラグインを使うことで、FTPソフトを使うことなくWordPress管理画面からサーバー上のファイルを簡単に操作できます。
File Managerの使用方法
まずFile ManagerをWordPress管理画面からインストールし有効化します。
有効化が終わったら、管理画面のメニューから「File Manager」をクリックします。
最初にFile Managerからのメール配信の許可を尋ねられます。
必要がなければ閉じて大丈夫です。
以下のような画面が表示されます。
この画面がサーバー内のファイルになります。
デフォルトで英語表記になっていますので、画面右上のプルダウンから日本語表記に変更しておくとよいでしょう。
対象ファイルを選択した状態で上のツールバーをクリックするとファイル操作ができます。
①がファイルのアップロード、②がファイルのダウンロード、③がファイルの削除になります。
このほかにもファイルの閲覧・編集、コピーなどが可能です。
以上でFile Managerのインストール・操作方法の解説は終了です。
File Managerの注意点
インストールするだけで簡単にサーバー上のファイルを操作できるFile Managerですが、注意点が2つありますので紹介しておきます。
① WordPress管理画面に入らないと使用できない
File ManagerはプラグインであるためWordPressの管理画面に入らないと使用できません。
サーバー上のファイルを操作したい場面の一つにエラー時の対応がありますが、そもそもエラー時はWordPressにアクセスできない場合があるため、肝心な時に使用できないといった状況に陥ることがあります。
② 必要な時のみインストールしておく
サーバー内のファイルを操作する機会はそう多くはありません。
使用しないプラグインをインストールしてある状態はセキュリティ上あまり好ましくないので、使用後はアンインストールしておき、また必要になったらインストールして使用するようにするとよいでしょう。
誤操作によるサーバー内ファイルの削除のリスクも減らすことができます。
レンタルサーバーの管理画面からサーバー上のファイルを操作する
多くのレンタルサーバーには、Webブラウザ上からサーバー内のファイルを管理する機能(ファイルマネージャ)が備わっています。
この機能を使用することで先ほど紹介したプラグイン「File Manager」と同様の操作をレンタルサーバーの管理画面から行うことができます。
今回はXserverの画面を例に解説します。
ログイン方法① ファイルマネージャに直接ログインする
Xserverの「ログイン」から「ファイルマネージャ」をクリックし、ID・パスワードを入力します。
ファイルマネージャにログインするにはFTPユーザーID・FTPパスワードが必要になります。
サーバーパネルにログインする際に使用しているID・パスワードからファイルマネージャにアクセスするには以下の方法をお試しください。
ログイン方法② サービス管理画面にログイン後、ファイルマネージャを開く
Xserverの「ログイン」から「Xserverアカウント」をクリックし、ID・パスワードを入力します(このとき使用するパスワードはXserverアカウントのログイン情報です)。
ログイン後、「ファイル管理」をクリックします。
上記STEP1が完了すると、ファイルマネージャの画面に移ります。
この画面からサーバー内のファイル操作が可能です。
多くのレンタルサーバーのファイルマネージャでは、ファイル単位でしかアップロード・ダウンロードができません。
フォルダごとアップロード・ダウンロードをしたい場合はFTPソフトまたはプラグイン「File Manager」を使用するようにしましょう。
エラー対応:プラグインの無効化
WordPressの管理画面にアクセスできなくなった場合、サーバー内のファイルを直接操作することでログインが可能になる場合が多いです。
ここからはFTPを使ったエラー対応方法の一つとして、プラグインを無効化する方法を紹介します。
新規プラグインのインストールやプラグインのアップデートによってWordPressサイトが動かなくなった際に試してみてください。
FTPによるプラグインの無効化はあくまでエラーに対する一時的な対応になります。
プラグイン無効化前の状態に復元できるよう必ずバックアップをとってから実行してください。
FTPソフトを使ってサーバーに接続し、wp-contentディレクトリ(フォルダ)を開きます。
wp-contentはルートディレクトリと呼ばれるフォルダの直下に存在します。
ルートディレクトリのフォルダ名は「public_html」「www」「html」などとレンタルサーバーによって異なります。
wp-contentディレクトリ内に「plugins」という名称のフォルダが存在します。
このフォルダ内にプラグインのフォルダが存在しますので、無効化したいプラグイン名のフォルダを選び名前を変更します。(今回は後から見てわかりやすいようにフォルダ名の先頭に「11」を追加しました。)
WordPressの管理画面からプラグインの画面を見てみると、先ほどフォルダ名を変更したプラグインが無効化されていることがわかります。
このようにFTPを使用することでサーバーからプラグインを無効化できます。
プラグインが原因でWordPressサイトが動作しない場合は上記の方法を試してみてください。
無効化したプラグインを元に戻すには、サーバー上のフォルダ名を戻した後、WordPress管理画面から該当プラグインを有効化する必要があります。
まとめ
今回はFTPとサーバー上のファイルを操作する方法について解説しました。
FTPソフト以外にもサーバーへアクセスする方法があり、それぞれ必要な情報が異なりますので、各手段を比較して使いやすそうなものを試してみてください。